同じ”あぶら”だけど、「油」と「脂」は何が違う?
以前の記事でラクダのこぶを例に
「脂肪」は生きていくためのエネルギー源として必要!
→(参考)三大栄養素って覚えていますか?
ということを書きました。
ところで同じ”あぶら”のことなのに、漢字で書くと「油」と「脂」の2種類があります。
これって何が違うんだろう?
ということで、調べてみました。
「油」と「脂」の使われ方は?
日常生活の中でどういうところで使い分けられているか考えてみると
まず「油」のほうですが、
オリーブ油や菜種油など料理関係
原油や灯油など燃料関係
などがあります。
▼最近は料理などでもよく使われるオリーブオイルは「油」です。
対して「脂」は
体脂肪や内臓脂肪など健康関連
牛脂などの調理関連
などといった使われ方をしています。
常温時にどっちなの?
上記の使いわけを見て、パッとひらめいた方もいるかと思いますが
「油」は常温で液体である
のに対して
「脂」は常温で固体である
という違いがありますね。
さらに牛脂や内臓脂肪でも分かるように
「脂」は動物性の油に使われ、植物性の油には使われません
間違っても”オリーブ脂”とは書かないですもんね。
▼バターやマーガリンに含まれる”あぶら”は動物性なので、「脂」が使われます。
でも緊張した時などに出る”脂汗”は常温時でも液体です。
これは、やはり動物性の油だから、ということがかかわっているようです。
※栄養学的な「脂」は固体も液体も両方を指すこともあるそうです。
いずれにしても大まかに「油」と「脂」は
常温時に固体なのか、液体なのかということが区別の基準になっています。
「卵」と「玉子」の違い
さて今回はスペースが余ったので、「油」と「脂」の他にも同じ言葉なのに、漢字が違うものを調べてみます。
「卵」と「玉子」
何となくご存知の方もいるかと思いますが、基本的に
「卵」は子孫を残すために産み落とされたそのままの姿
スーパーなどで売られている生卵は”生玉子”とはあまり書かないですね。
「玉子」は調理されたもの
玉子焼きとか玉子豆腐とかですね。
と分けられているそうです。
でも厳密な基準はないそうなので、あくまでも”基本的には”です。
卵焼きって書いても、別に間違いではありませんのでご安心を。
「寿司」と「鮨」の違いは?
「寿司」と「鮨」の2つの漢字を見ると、何となく違和感を感じまして、要はどちらの漢字も縁起が良くて当て字っぽいなと。
▲「寿司」でも「鮨」でもやっぱりおいしい!
だって”寿”と”旨い”って字が含まれているんですよ。
偶然こんなに縁起が良い感じが使われます?しかも2つとも。
ということで、「すし」の由来を見てみます。
「すし」は「鮓」である!
「すし」の由来は”酸っぱい”の終止形である「酸し」であると。
もともとは「鮓」という意味ぴったり(※)の漢字が用いられていたそうですが、そのうち「鮨」と混同されるようになったそうです。
※鮓:魚介類に塩を加えて漬け込み自然発酵させた食品(weblio辞典より)
それから後で「寿司」という当て字が出来上がったとのことです。
ということで、現在あまり目にすることのない「鮓」という字が最も適切で、「鮨」は「鮓」と混同され、「寿司」はもっと後に当て字として使われ始めたとのことです。